ケガは本当に「突然」起きているのか
肉離れや前十字靱帯断裂・損傷など、大きなケガが起きたとき、多くの見る側の人間はその瞬間を切り取って理解しようとします。
担架、交代、検査結果、離脱期間。
そして多くの場合「不運だった」「仕方なかった」という言葉で整理しています。
しかし、現場で身体を見続けていると、その瞬間以前に起きていたことが、どうしても気になってしまいます。
久保建英の肉離れが投げかける問い
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先日、久保建英選手が負傷離脱しました。
本人は「強くなって戻ってくる」と前向きな言葉を残しています。
そしてその言葉、心から応援しています。
ただ、現場に関わる人間として浮かぶ問いがあります。
この肉離れは、本当に自然に起きたものだったのか。
それとも、必然に近づいていた状態だったのか。
これは特定の選手を分析する話ではなく、構造の話です。
張りがあっても「動けてしまう」状態の危うさ
肉離れを起こした選手を振り返ると、臨床・現場で見てきた共通点があります。
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ハムストリングに張りを訴えていた
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疲労が抜けきっていなかった
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それでも本人は「調子がいい」と話していた
特に注意が必要なのが、張りがあっても動けてしまう状態です。
プレーは成立する。
結果も出る。
周囲から止められる理由も見当たらない。
しかし外から見ると、重心が前や横に流れ、姿勢が力んでいるように見えることがあります。
「身体は、すでにサインを出している」
ケガは「日常の延長線上」で起きている
この段階で、必ずケガが起きると決まっているわけではありません。
ただし、起きる可能性が高まっている状態であることは多い。
これを「自然」と捉えるか、「必然」と捉えるか。
その分かれ目は、どこに目を向けるかだと感じています。
平川陽菜の前十字靱帯損傷が示す構造
♦️平川陽菜選手の負傷に関するお知らせ♦️
平川陽菜選手が下記の通り負傷し、手術をしましたので、お知らせいたします。
【平川陽菜】
診断名 右膝前十字靱帯損傷
手術日 2025年12月23日
全治 約8か月の見込み#三菱重工浦和レッズレディース pic.twitter.com/7DrqLOtUVl— 三菱重工浦和レッズレディース公式 (@REDSLADIES) January 11, 2026
この構造は、男子トップレベルだけの話ではありません。
WEリーグ・浦和レッズレディース
平川陽菜選手は、公式戦ではなくトレーニングマッチ(TRM)で前十字靱帯損傷を負っています。
TRMで大きなケガが起きたこと自体に、大きな違和感はありません。
なぜならTRMは、
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日常の延長線上にあり
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コンディション調整中で
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「万全でも、完全なオフでもない」
身体の状態が最も揺れやすい場面だからです。
強度が低いから安全、高いから危険、という単純な話ではありません。
「日常の積み重ねが、その一瞬に露呈した」
そう捉えています。
肉離れは防げないのか?防げる可能性はあるのか
結論から言えば、肉離れを完全に防ぐことは難しい。
ただし、防げる可能性を高めることはできると考えています。
それに必要なのは、
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新しいトレーニングメソッド
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特別な器具
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流行りの予防法
ではありません。
「現在地」をどこまで把握できているか
重要なのは、その瞬間(負傷)より前の身体です。
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今、身体はどんな状態か
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違和感は本当に無かったのか
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「できてしまっている」だけではないか
ケガが起きた瞬間だけを見るのは簡単です。
でも本当に向き合うべきなのは、起きなかったかもしれないプロセスです。
本人や関係者の視点で見たとき、その前段階はどう映っていたのか。
そこを一度、確認する必要があるのではないかと感じています。
その違和感は、本当に偶然だったのか
ケガを「結果」だけで処理しない。
その違和感は、本当に偶然だったのか。
それとも、見ようとすれば見えたサインだったのか。
この視点を持つことが、選手・指導者・トレーナー・フィジオにとって次のケガを防ぐ一歩になると考えています。